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はじめに:未知への扉が開くタイトルの意味
記憶にも新しく最近現実に行われたキリスト教カトリック教会の教皇を決める教皇選挙(コンクラーベ)。今回は映画の『教皇選挙(Conclave)』を紹介、2025年3月20日公開/120分のサスペンスミステリーとして、「ローマ教皇を決める教皇選挙(コンクラーベ)」の舞台裏を徹底描写した作品です。バチカンの完全な秘密主義の殻を剥がし、「聖職者が政争する群像劇」として、観るものを引き込む超一級ミステリーに仕上げられています。
予告編でも映し出される「息を呑む急展開のサプライズ」という宣伝文句が、まさにそのまま本編の内容を裏切らない――そんな緊張感あふれる映画です。
製作背景・スタッフ・キャスト概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 監督 | エドワード・ベルガー |
| 原作 | ロバート・ハリス著小説『Conclave』 |
| 脚本 | ピーター・ストローハン(アカデミー脚色賞受賞) |
| 主人公 | ローレンス枢機卿役:レイフ・ファインズ(吹替:原康義) |
| 共演枢機卿 | ベリーニ枢機卿:スタンリー・トゥッチ、トランブレ枢機卿:ジョン・リスゴー、テデスコ枢機卿:セルジオ・カステリット、ベニテス枢機卿:カルロス・ディエス、シスター・アグネス:イザベラ・ロッセリーニ |
Rotten Tomatoesでは批評家支持率91%、観客支持率86%。レイフ・ファインズの演技は“キャリアハイライト”と評され、レビュー平均8.0点/10点はまさに高評価です。
教皇選挙とは?―“コンクラーベ”の歴史と制度を徹底解説
映画『教皇選挙』を楽しむ前に、その舞台背景である現実の教皇選挙(コンクラーベ)がどのような制度なのか、まずはその概要を正確に押さえておきましょう。
コンクラーベ(教皇選挙)とは
「コンクラーベ」(Conclave)とは、ラテン語で“鍵付き(cum clave)”を意味し、全てのカトリック教会の最高指導者であるローマ教皇を、枢機卿たちによる秘密投票で選出する儀式です。
この制度は、13世紀のローマ教皇選出が3年近くにも及んだ混乱を背景として誕生し、以降、多くの歴史的改革を経つつ現代に至ります。
参加枢機卿と年齢制限
投票権を持つのは、選挙の当日で80歳未満の枢機卿のみ。制限人数は基本“120人以内”ですが、近年の実例では135人が可能な場合もあるとされています。
2025年の教皇選挙では、出席者133人に対して2/3以上(89票)が当選値となりました。
手順と祈りのプロセス
コンクラーベ開始前には、サン・ピエトロ大聖堂で「聖霊の導きを求めるミサ」が捧げられ、その後枢機卿団は「サンタ・マルタ館」に宿泊しながらの隔離生活となります。
そして選挙日にはまずシスティーナ礼拝堂で誓約と宣誓が行われ、「Extra omnes(全員退出)」の声の後、外部と完全に遮断された状態で投票が始まります。
投票の仕組みと得票ルール
1日4ラウンド(午前2回・午後2回)の無記名投票を経て、いずれかの候補が2/3以上の票を得るまで続行されます。
かつては、一定回数投票しても決まらない場合は単純多数での選出も認められていましたが、現在はあくまで2/3以上の票が必須で、投票規定の緩和は2007年に完全撤回されました。
煙と鐘による結果報告
各投票後、書類は燃やされ、黒煙(Fumata nera)が上がれば未決、白煙(Fumata bianca)と同時にサン・ピエトロ大聖堂の鐘が鳴らされることで新教皇が選出されたことが世界へ告げられます。
また、近年は色彩を鮮明にするため、白煙には塩素酸カリウムや乳糖、松脂、黒煙には硫黄やアントラセンなどの化学物質が混ぜられるようになりました。
ストーリー深堀:コンクラーベ三日間の激動録
開幕前夜〜第1日:謎の枢機卿ベニテスの衝撃登場
前教皇の突然死去により、首席枢機卿ローレンス(レイフ・ファインズ)は世界各地から集まる枢機卿たちを隔離された聖システィーナ礼拝堂へ導き、新教皇選出を執り行う。

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第1投票では誰も2/3の票を獲得できず、まさに強豪4人:リベラル派ベリーニ、保守派アデイエミ、穏健派トランブレ、伝統主義テデスコ間で割れる展開。驚くべきことに、メキシコ生まれの新枢機卿ベニテスが、事前に隠されて秘密任命されたという文書と共にコンクラーベ開始直前に姿を現す。これが一幕目の大きな転機となります。

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第2日:スキャンダル&告白で選挙が大きく動く
食事中に、アデイエミ枢機卿と修道女シャヌーミが口論。修道女シャヌーミはアデイエミとの交際によって子供を産んだ過去を告白。ローレンスは告解の秘密を守るが、噂は広がり、アデイエミの選挙戦は頓挫。

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一方、ベニテスは「あなたの説教に心を動かされた」と投票をローレンスに続ける意思を明らかに。当選見込みを否定するローレンスをベニテスは強く諦めず、変化を示唆する展開になります。

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第3日:テロ!自己投票!そして“新教皇の真実”が発覚
ローレンス自身が観念し、自らに投票しようとした矢先、礼拝堂の近くで爆発が発生。窓が割れる非常事態に。これは、組織化されたイスラム原理主義による自爆テロによるもので、数百人が犠牲に。グループは一時中断されるも、

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再開後の投票でベニテスが圧倒的多数で当選。彼は「インノケンティウス」の教皇名を選びます。

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そしてクライマックス――ローレンスがベニテスから明かされる衝撃の事実。前教皇が腹腔鏡手術のために診察を予約していたが、ベニテス自身が手術を拒否したという告白に、枢機卿団も観客も息を呑みます。
登場人物とキャラクター分析【共感と興奮の交差点】
トマス・ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ):信仰と権力、曖昧な立場で揺れる主人公。演技力が自然に感情移入させ、観る者の“代理”となります。繊細でありながら自己疑念に苛まれる姿はまさにリアル。

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アルド・ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ):知的リベラリストとして、ローレンスの盟友。理想主義の苦悩も描く。現代宗教の「改革か維持か」の対立軸を体現する存在。

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ジョー・トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー):中庸派のカナダ人。前教皇からの辞任要求疑惑、そして買収疑惑のダブルスキャンダルが展開に緊張を加える。

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ゴッフレード・テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット):伝統主義の旗手。極端な宗教的勢力に抗議するベニテスとの対比として、映画の緊張構造を担う。

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ヴィンセント・ベニテス枢機卿(カルロス・ディエス):隠された枢機卿として登場し、侍者的な奉仕を重ねつつも、最後には光を浴びる。戦地の奉仕者の姿が“神が選ぶ人”を揺さぶる。

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シスター・アグネス(イザベラ・ロッセリーニ):枢機卿たちの滞在を密かに管理し、ローレンスを導きます。穏やかで神秘的な立ち位置が、混乱するコンクラーベの「良心の声」として機能。

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なぜこの物語に共感してしまうのか?
閉ざされた宗教空間が、現代民主主義の縮図となる
コンクラーベの舞台を通して、私たちの”選挙”や”政争”に通じる仕組みがリアルに描かれます。「声が届かない空間」の恐怖と、隠された力学の重層性を暗示します。信仰 vs 権威、道徳 vs 権力、改革 vs 伝統の葛藤
枢機卿たちの間で交わされる選挙プロセスは、まさに理想と現実、倫理と野心、教義と変革の間を揺れ動く人間ドラマ。主人公の“人間らしさ”への目線
ローレンスの葛藤は、そのまま観客自身の疑問や不安とリンクします。「自分が選ばれる価値があるのか?」という普遍的な問いを呼び起こす演出が巧み。
特撮にも似た“驚きポイント”4選
コンクラーベ初日の朝に現れた“謎の枢機卿ベニテス”
事前に誰にも知られていなかった人物が参加し、投票に影響を与えること自体が驚愕。第2日目の告白スキャンダル
アデイエミと修道女シャヌーミの不貞&子供の告白が、選挙戦の構図を一変させるドミノ効果を生む。第3日目の爆破テロ
静謐な礼拝堂という“神聖スペース”に突如として”現実世界の暴力”が吹き荒れる衝撃。政治的衝突を超えて、国際問題を組み込む大胆なプロット。教皇“インノケンティウス”の正体――衝撃の告白
教会運営内部の差別・葛藤を象徴しつつ、現代社会におけるジェンダー問題への鋭い問いかけを含む衝撃の真実。
映像・演出の見どころと圧倒される美術空間
システィーナ礼拝堂は、実際に盗聴対策を施したセット構成を再現。白煙/黒煙演出など、古くからのコンクラーベの象徴と、現代ミステリーの暗号性を併せ持つ。
カメラワークと音響:静かな囁きから突発音の爆破へ。緊張と解放のリズムが映画テンポを支配する。
色彩:選挙中の食堂や通路は赤がアクセントに使われ、緊張と血の気を視覚的に表現。宣教服や壁画などには美術的気品が漂う。
私自身の感想と視聴後の心の震え
見終わって真っ先に言えるのは、「信仰の物語」「宗教映画」の枠を越え、純粋に“選挙ドラマ”として傑作だということです。
厳密な宗教知識がなくても、「正義/罪/異端」「告白/赦し/再生」という普遍的テーマに胸が締めつけられます。
さらに、「自分が選挙の対象になったら…?」と疑似体験させられる深みがあり、観客の心理にも暗い共鳴を残します。
ラストのベニテスの告白が人生に「選ばれた者」として向き合わざるを得ない重力を持って迫ってくるその衝撃。
希望とも絶望ともつかぬ余韻が、上映後も静かに心に残り、「もう一度考えたい」と胸がざわつく。この映画はそういう力を持っています。
終わりに:観るだけで「世界を信じ直したくなる」映画
『教皇選挙』は、聖職者たちの誰もが知り得ない選挙戦に潜む陰謀・信念・倫理の交錯を描きます。謎解きだけでなく、人間ドラマとしても強烈な力を持つこの作品は、映画ファンのみならず、「物語が問いかけるもの」に敏感なすべての人に届けたい一本です。
神の代理者を選ぶ側が誰を選ぶか、そして自分が選ばれる末路を想像せよ―― この映画は、信仰の神秘と政治の現実を生々しく掘り下げた、2025年最大級の衝撃作です。
心が震える120分を、あなたもぜひPrime Video(7月30日より配信開始、日本語吹替あり)で体験してみてください。



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